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2018年5月27日説教

説教タイトル:わたしは平和を与える
聖書箇所  :ヨハネによる福音書第14章15~31節



論 壇 東方教会の分裂 (No,21)
西方教会は16世紀にカトリックとプロテスタントに分れました。東方教会は5世紀という西方より早い時期に、キリストの「二性一人格」の教理を確立する論争において、三つに分れました。東方正教会と、ネストリオス派(現在の東アッスリア教会)と、単性論派(アルメニア教会、シリア教会、コプト教会)です。
この論争をネストリオス論争と呼び、二性一人格の教理を表明するカルケドン信条(451年)により決着しました。「二性」の意味は、イエス・キリストは神が人となったお方なのだから、神性と人間性という二つの区別された本性を持つ。それゆえ、「まことの神であり、まことの人である」ということを意味します。
「一人格」は、「マリアから生まれたのは誰なのか、十字架にかかったのは誰なのか」との問いに対して、「神の永遠のみ子である」との答を出すための用語です。キリストは、神であり人であるが、二つの人格(主体)があるのではなく、一人格である。キリストが行ったこと、キリストに起ったことは、すべてみ子が行ったこと、み子に起ったことである。それゆえ、生まれたのも、死んだのも神のみ子である、これを表明するのが、「一人格」です。
このカルケドン信条を受け入れたのが今の東方正教会です。
ネストリオスは、二性の区別を強く主張したために、カルケドン信条ができる少し前の431年に断罪され、追放されました。しかし、カルケドン信条には二性の明確な区別が表明されており、ネストリオスはこの信条を承認したといわれます。
単性論派は、ネストリオスを断罪した正統派リーダーであるキュリロス(444没)に忠誠を尽くそうとして、カルケドン信条を拒否しました。キュリロスは、み子は受肉前も受肉後も同一であって、何の違いもないことを主張するため、み子に「単性」(一性)ということばを使いました。ところがカルケドンに神と人の「二性」ということばが入ったため、拒否したのです。誤解したといえます。キュリロスが存命であれば分裂はなかったように思えます。

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