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2017年8月27日説教

説教タイトル:神があなたの父であるなら
聖書箇所:ヨハネによる福音書8:39-47

 本日午後の全員協議会において、石田和彦長老が宗教改革についての発題を行います。1517年、ルターによって宗教改革がはじまったと言われますが、宗教すなわちキリスト教の改革というだけでなく、プロテスタントの誕生により、キリスト教が複数の教派という形を取るようになったことで、ヨーロッパ社会に大きな変化をもたらしました。
 それゆえ、宗教改革をひととおり理解することだけでも骨の折れることです。『宗教改革とその時代』(小泉徹 世界史リブレット 山川出版)のように、安価で全体を見通すことのできるさまざま啓蒙書が出されています。それらを入り口にして各国の宗教改革史に関心を広げるのもよいと思います。
 『はじめてわかるルネサンス』(ジェリー・ブロトン 高山芳樹訳 ちくま学芸文庫)も世界史の中で宗教改革を理解するのに有益です。ルネサンスを東西南北、宗教の違いを越えた世界規模の出来事としてとらえ、その中に宗教改革を置いています。そして、宗教改革開始以前には、ヨーロッパとオスマン・トルコは、文化的にも政治的にも緊密に結びついていたことを実証的に説明しています。この枠組においては、宗教改革により、「カトリシズム、プロテスタンティズム、イスラムという名称の固定化にともなって、かつて保たれていた東方と西方との間の、宗教的出会いと交流のしなやかな関係は失われていった。・・・この時代の後世への負の遺産は、いまだに解決不能と見える絶え間のない宗教的、政治的衝突の連鎖を生み出したことである」(p.157)。ユダヤ教迫害も宗教改革をとおしていっそう進みました。
 宗教改革がヨーロッパの分断に手を貸したと指摘する書物が最近目につきます。以前紹介した義認の教理におけるカトリックとルター派の合意のできごとも、分断を修復しようとする試みです。
 プロテスタント誕生の歴史を知ることも大切ですが、宗教改革の歴史的意味はそれだけではありません。
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