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2018年4月22日説教

説教タイトル:互いに愛し合いなさい
聖書箇所:ヨハネによる福音書13:31-38

論壇 東方と西方の区別
 5月10日からはじまる研修所夜間神学講座において、3回にわたって東方教会について話す予定です。東方教会を取り上げる理由は、宗教改革500年をすぎて、カトリック教会とルター教会が義認の教理の主要点において一致したことにより、キリスト教そのものを考えるよい機会がおとずれたからです。
 プロテスタントは、カトリックと比較しながら自己を理解することをよくします。しかし、同じ西方伝統に属するカトリックと比較したのでは分からない点が、東方教会と比べることで明らかになることがあります。自己理解を深めるという観点から東方教会を取り上げようと思います。
 東方伝統と西方伝統は、ギリシア語を使う東方、ラテン語を使う西方、ローマ帝国が東西に分離した(395年)ことによる東方と西方という枠組ではじまりました。ただし、分裂や敵対という関係ではなく、一つの教会における異なる伝統です。それゆえ、三位一体論(325年ニケア信条、381年ニケア・コンスタンチノープル信条)と二性一人格(451年カルケドン信条)という根本教理における論争では、協力して正統信仰を守りました。
 はっきりと分裂したのは、1054年の相互破門と、1203年の第四回十字軍によるコンスタンチノープル占拠と略奪という西方教会が行った蛮行のためです。
 東方教会は、東方正教会と東方諸教会に分れます。大雑把にいうと、二性一人格の教理を表明するカルケドン信条を拒否して分れていったのが東方諸教会です。また、この東方諸教会は急速にイスラム勢力に飲み込まれることになり、イスラム諸国の中で生きのびてきた由緒ある教会ということになりました。西方教会が16世紀の宗教改革によって分裂する1000年以上前に、東方教会は正教会と諸教会に分れています。
 東方は正教会と諸教会、西方はカトリックとプロテスタント。キリスト教は、大きくこの四つの伝統で見ることができます。
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